【米SVPG 翻訳記事】4つの大きなリスク

作者：マーティ・ケーガン

翻訳者：インターンスタッフ（アーテリジェンス）‍

成功するプロダクトの３つの属性の危険性

拙著INSPIREDの初版では、成功するプロダクトは、価値があり(Valuable)、使い勝手がよく(Usable)、実現可能(Feasible)であることをご説明しました。また、ここでいう実現可能とは、技術的に実現可能であると同時に、ビジネス的にも実現可能であることと定義しました。

この3つの属性を覚えておくのは簡単なことですが、年月を重ねるに連れて、この方法ではかなり深刻なリスクや課題を把握しづらく、プロダクトマネージャーが重要な仕事を見落としがちになっているのではないかと考えるようになりました。

技術的な実現可能性のリスクが非常に高い可能性があり、（特に今日では、多くのチームが機械学習技術を探求している）、またビジネス上のリスクも、従来高いものでしたが、プロダクトマネージャーがこれらのリスクを十分に評価せず、過小評価している（あるいは単に避けている）ことがあまりにも多いことに気がつきました。

新４つのリスク

そこで新版では、新たに4種類のリスクを明確に呼びかけることにしました。

１．価値リスク（顧客が購入するか、ユーザーが利用を選択するかどうか）

２．使いやすさのリスク（ユーザーが使い方を理解できるかどうか）

３．実現可能性リスク（エンジニアが私たちが持ちうる時間、スキル、技術を駆使して必要なものを作れるかどうか）

４．ビジネス実行可能性リスク（この解決策が、我々のビジネスの様々な側面にも有効であるかどうか）

ビジネス実行可能性リスクには、プロダクトがGo-to-Market（企業が新製品を投入する際に計画するアクションプランのこと）や販売チャネルに適合するかどうか、プロダクトがパートナーとの契約および／または法令遵守の制約内で機能するかどうか、費用対効果よく顧客を獲得する余裕があるかどうか、プロダクトがブランド・プロミスと一致するかどうかなどが含まれますが、ほんの一例です。

本書のサブタイトルは "How To Create Tech Products Customers Love"（顧客に愛されるテクノロジープロダクトを作るには）で、最も困難なリスクは通常、価値リスクであると主張していますが、この新刊では、顧客に愛されるプロダクトを作るだけでは不十分であり、そのプロダクトがビジネスにとっても有効でなければならないことを強調しています。

注目すべき新しい３つのポイント

新版では、強力なプロダクトチームはリーンやアジャイルを超えて、3つの重要な点で前進していると主張しています。

１．大きなリスクを早期に処理する - 特に価値リスクとビジネスリスク

２．共同で解決策を見つけ出す-エンジニアリング、デザイン、プロダクトの協力

３．問題解決に集中する - 機能やロードマップではなく、結果を出すことに集中する

今回の新版では、これらのポイントをしっかりと押さえ、プロダクトマネージャーが問題やリスクをよりよく認識し、それらに早期に取り組むためのテクニックを身につけられるようになることを期待しています。